消化器外科

ロボット支援手術の適応拡大

― 高度な技術と最新テクノロジーを融合した外科医療へ ―

筑波記念病院 消化器外科では、「高度な外科医療を、より安全に、より低侵襲に」を目標に、腹腔鏡手術・ロボット支援手術を積極的に導入しています。
これまでの胃・大腸領域に加え、2026年からはロボット支援手術の対象をさらに拡大し、肝臓・膵臓・鼠径部ヘルニアに対するロボット支援手術を開始しました。

肝臓・膵臓領域にロボット支援手術を開始

肝切除や膵切除は、消化器外科手術のなかでも特に高度な技術を必要とする手術です。
当科では、肝胆膵外科を専門とする医師を中心として、これまで腹腔鏡下肝切除術・膵切除術などの低侵襲手術に積極的に取り組んできました。
その経験と技術を基盤として、新たに

  • ロボット支援下肝切除術(図1)
  • ロボット支援下膵切除術(図2)

を開始しました。

ロボット支援手術では、精細な3D画像と多関節機能を有する手術器具により、人の手だけでは難しい細かな操作を安定して行うことができます。
病変の位置や進行度、患者さんの全身状態などを十分に検討し、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術のそれぞれの特徴を生かして、患者さん一人ひとりに適した手術方法を選択します。

ロボット支援下肝切除術
図1 ロボット支援下肝切除術
ロボット支援下膵切除術
図2 ロボット支援下膵切除術

鼠径部ヘルニアにロボット支援手術を開始

鼠径部ヘルニアに対しても、ロボット支援下鼠径部ヘルニア修復術(図3)を開始しました。
ロボットの精密な操作性を生かしながら、身体への負担が少なく、より質の高いヘルニア手術を目指します。

ヘルニア門
メッシュを挿入
腹膜縫合閉鎖
図3 ロボット支援下鼠径部ヘルニア修復術

最新世代の手術支援ロボット「da Vinci 5」を導入

2026年10月、筑波記念病院では手術支援ロボットda Vinciシリーズの最新モデル、「da Vinci 5」(図1)を導入します。
da Vinci 5は、従来機から大きく進化した最新世代の手術支援ロボットです。

da Vinci 5 のシステム全体
da Vinci 5 のロボットアーム
図1 手術支援ロボット「da Vinci 5」
より精細な3D画像

新しいビジョンシステムにより、術野を高精細な3D画像として観察することができます。
細かな血管や組織を詳細に確認しながら手術を行うことを支援します。

「力」を感じるForce Feedback

da Vinci 5では、新たにForce Feedback(力覚フィードバック)テクノロジーが搭載されています。
手術器具の先端にかかる力を検知して術者に伝えることで、組織を把持したり牽引したりする際の力をより客観的に把握することができます。

従来機を大きく上回るコンピューティング能力

da Vinci 5は、従来のda Vinci Xiと比較して大幅に向上したデータ処理能力を備えています。
手術中に得られるさまざまなデータを蓄積・解析し、AI(人工知能)や機械学習を活用したデジタル解析へ発展させることができるよう設計されています。
今後、手術を単に「行う」だけではなく、手術操作を客観的なデータとして振り返り、術者の技術向上や手術の質の改善につなげていくことが期待されています。