2024年4月に病院長を拝命いたしました榎本強志と申します。まず初めに、病院長の重責を長きにわたり全うしてくださいました前任の長澤俊郎先生をはじめ、当院の発展に尽力してこられた職員の皆様、そして当院を信頼してご利用してくださる地域の皆様に深く感謝申し上げます。病院長を拝命してからまだ日が浅いのですが、院長補佐より格段に重くなった責任に、いまは身が引き締まる思いでおります。
思い起こせば32年前、筑波大学付属病院レジデント研修を修了して最初に赴任した病院が当院でした。その頃は、今ではもう取り壊されてしまったふたつの病棟が夏は汗が噴き出るほど暑く、冬は凍えるほど寒い渡り廊下で繋がっているだけでした。その後、短期間の異動はありましたが、ほぼ30年間、当院が発展していく様子をずっと見てまいりました。その間、多くの先輩方に多大なるご指導をいただきました。先輩方から学んだ知識と技術、そして何よりも患者さんへの真摯な姿勢は、私の医師としての基盤となっております。
現在、私たちが直面している医療情勢は、多くの課題が山積しています。しかし、どんな状況であっても私たちが常に為さなければならないことは、目の前にいる患者さんの治療に全力を尽くすこと、ただこの一点に絞られると考えています。そのために私たちは、当院の基本理念である「誠意をもって最善をつくす」を常に心に留め、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供できるよう最新の医療知識と技術を学び続けます。また、患者さん一人ひとりに寄り添い、丁寧で温かみのある医療が安心して受けられるように患者さんの声に耳を傾け、病院内の環境改善やスタッフの教育にも力を入れます。
しかしながら、高齢化社会を迎え、ますます増えていく患者さん全員に当院のみで対応することは困難です。医療を必要とされている方を一人も取りこぼさないためには地域の医療機関や関連施設との連携が欠かせません。医療連携を強化することで地域にお住まいの全ての皆様により質の高い切れ目のない医療を提供できると考えています。
筑波記念病院は地域の皆様に常に信頼され必要とされる病院であり続けるために、そして皆様の健康を守るために、全スタッフ一丸となってより良い病院になるように努めてまいります。これからも変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
【2025年 年頭挨拶】
昨年も当院に対して温かいご支援とご理解を賜り、心より感謝申し上げます。私たちは当院の基本理念であります「誠意をもって最善を尽くす」を胸に地域支援病院として地域医療を支えたいと強く願い、皆様お一人おひとりに寄り添い、「逃げない・諦めない・見捨てない医療」を提供することを目指して日々、努力を重ねてまいりました。今年もこの姿勢を堅持して、より質の高い医療の提供を目指して努力を続けてまいります。
昨年は新たに泌尿器科を開設し、手術室を1室増設しました。より高度かつ低侵襲な手術にも対応できるような手術支援ロボット(ダヴィンチ)や新しい麻酔システムも導入しました。また、昨年6月にはDPC特定病院群の指定を受けました。これは大学病院に準じた診療機能を有すると認められた医療機関が指定を受けるもので、全国で178病院、茨城県内では当院を含めて3病院が指定されました。当院のこれまでの診療体制と実績が評価されたことは、今後の医療の質の向上とより良い医療の提供につながっていくと考えております。これからも地域の医療機関との連携を密にして、より高度で質の高い医療を提供し続けてまいります。
近年、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。その中でも「医師の働き方改革」は医療機関全体にとって避けて通れない課題です。医師の労働時間の適正化は、医師自身の健康や医療の質の向上にとって重要な取り組みですが、その結果として医療崩壊が起きる危険性も指摘されております。当院では、チーム医療のさらなる推進、勤務体制と業務分担の見直し、先端技術の導入などにより、医師をはじめとする医療スタッフが健康に働ける環境を整備しつつ、皆様にとっても持続可能で安心できる医療体制を築いてまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
本年も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。